WebSigのIA分科会 vol.3に行ってきました。「リアルタイムにIAの思考を追うライブIA」というお題でネットイヤーの坂本さんがお話されていました。
情報設計のプロセスにおいて、いつどういうことを考えながら作業しているのかをプロセスの中で紹介してくださいました。ライブIAです。すごかった。
忘れないように手順での押さえどころや視点をメモっておきます。
流れを書き出すと、次の4ステップだったと思うので、それぞれについて僕の解釈フィルターをかけて、解説を加えます。
- 設計の方向性を決める
- ユーザーのニーズを調査する
- サイトの使われ方をイメージする
- 必要なフローを実現できる構造を考える
1. 設計の方向性を設定する
まずいきなり設計や改善点の洗い出しに手を付けるのではなくて、インプットから始める。その為に、同業種サイトのベストプラクティスを研究する。やり方としては、
- ランキングなどを利用して、今現在、評価されているサイトをみる。評価されていると思われるポイントを推測する
- 過去の評価と見比べて、評価トレンドの移り変わりとその背景を推測する
など。
ここでのポイントは、「どういう点に注意してサイトを改善すべきか」という設計の方向性を自分なりに見つけるということだと思います。その為に、どういう評価ポイントが(過去・現在に)あり、そのうちどの視点に自分が共感できるかを見つける、ということだと解釈しました。
坂本さんは「教科書となるサイトを決める」という言葉を使っていました。
2. ユーザーのニーズを調査する
やはり実際にウェブサイトを利用するユーザーの視点を忘れるわけにはいかないので、同系統のウェブサイトに対して、どういうニーズがあるかを調査する必要があります。
2つの手法を紹介してもらいました
(1)自分の実体験と重ね合わせる
(2)CGMを利用・・・blog検索、mixi、2ch、Wikipedia、asukoe、Kizashi、YouTubeなどが利用できる
(2)のCGMに転がっている声を漁るっていうのは、ドンピシャですね。2chはちょっと気をつける必要がありますが、まさにユーザーの生の声が聞けると思います。
3. サイトの使われ方をイメージする
利用シーンごとにユーザーの行動をAIDMAに照らし合わせる。ウェブサイトで満たすべき要件とその流れ(これがそのままページフローになる)があぶり出せる。
ここでの利用シーンは、一つ前で調べたユーザーニーズから抽出できますね。
4. 必要なフローを実現できる構造を考える
前のステップで見えてきたページのフローを満たすようなサイト構造を考える。
フローと構造は異なるため、フローをそのままサイトマップにしてしまうと、とっても変なことになってしまう。
正しい情報構造とユーザーが欲する作業の流れを両立させないといけなくて、ここがIAの腕の見せ所なんじゃないでしょうか。
その他、気づいたこと
冒頭で坂本さんが「(今日の話は)IAでなくても知っておいて欲しいこと」だとおっしゃっていましたが、同感です。
今回のようなサイト設計に関するところの「IAの知識」は、ウェブに関わる全ての人が持っておくべきものだと思います。使いやすいウェブサイトを作る上で、ユーザー視点でのサイトの設計を「理解する」ことはチームの全員に課されていると思うからです。
(なので、他の職種の人にサイトマップやワイヤーフレームを描けるようになって欲しいという意味ではないです)
ところで、
2次会で坂本さんとお話ししたときに「自分で理解している部分しか話してない(ので大したことない)ですよ」と謙遜されていましたが、これだけのことを整理してお話できるというのはすごいと思いました。とても勉強になりました、と同時に自分も精進せねば、と思いました。
だからという訳ではないんですが、前々から先送りにしていたIAIJにもこっそり入会しました。w
参考サイト
参加された方々がたくさんブログを書かれていたので、いくつか参照として紹介させてもらいます。それにしても、皆さん自分の意見を盛り込んだりしてしっかりと書かれてます・・・見習わねば。
- WebSigのIA分科会 – chibirashka journal
- IAとUIは表と裏 – Flat And Tree(リンク先サイトがなくなってしまった模様。リンク削除しました。)
- YouTubeにプレゼン動画(7本)もアップされています
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