かつて指摘を受けてから、僕がプロジェクトをスタートさせる時に意識していることがあります。「このプロジェクトが終わった時に今の課題がこんな風に改善されていますよ」という効果を感じてもらうということです。
提案時には当たり前ですが、キックオフの時にも何かしらスライドを用意してアウトプットイメージを伝えます。ものづくり系のプロジェクトだと(僕の場合Web業界なので)「こんな素敵なWebサイトができて、こういう効果が出ます」ということだし、その前段の調査・分析系のプロジェクトだと「こういうことが明らかになります」というようなこと。
これって大事だけどあまりPM系の本とかには書かれてない気がします。
僕はお客さんと長くお付き合いしたいので、プロジェクトの最終成果物はもちろんのこと、プロセスにも満足して欲しいのです。要は仕事しやすい、また一緒に仕事したいと感じて欲しいということ。発注する側からすると、早い段階でアウトプットのイメージが見えて、それが払っているお金(発注金額)に見合っていると確認できれば、安心してプロジェクトを進められます。
あまりやり過ぎるとエクスペクテーション・コントロールを失敗してしまいますが、お金を払ってくれているお客さんに気持よくプロジェクトに参加してもらうということは、関係構築において重要な事だと感じています。
プロジェクトマネジメントではプロジェクトの最初に「スコープを確認するのが大事」と言われますが、実際にそこで行われていることは(予算、納期が決まっている中で)「ここまでやります。これ以上は応相談」という、受託側がオーバーフローしないための守りの確認という印象です。もちろんその確認は必ず必要ですが、それだけでもねぇ、というのが正直なところ。
しょっぱなから「今回はこういう条件なので、ここまでが作業範囲です。よーござんすね」という確認から入ってしまうと、お客さんは萎えてしまうんじゃないかと思うし、実際に萎えられてしまった経験もあります。
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