今日行ったMarkeZine Day 2008で聞いた湯川鶴章さんのプレゼンのまとめ。
タイトルは「米国最新動向から探るマーケティングの近未来」
■大体において変革期には既存のルールが新しいルールに取って代わられるときでもある。
情報革命でおきているのは個人のクリエイティブからテクノロジーを使ったオートメーションへの移行、といえる。
■かつては広告(マス広告)しかコミュニケーション手段がなかったが、現在では企業と個人のコミュニケーション手段が増えている(企業サイト、ブログ、SNS、メールなど、主にオンラインだが)
これまではパブリッシングプラットフォームが価値を持っていた。そこでの尺度はリーチの広さ。しかし、これから価値を持つマーケティングプラットフォーム。そこの尺度は持っているデータ量か。特にこれからはオンラインを主戦場とした360度マーケティングの方向性に進むだろう。
■マス文化で失った個に対する決め細やかなサービスを取り戻すこと。
よく言われることだが、オンラインで「(サザエさんの)三河屋さん」になることが求められる。
検索連動型広告
サザエさん:「お醤油が切れたんだけど」
三河屋:「丸金醤油はどうでしょう?」
リコメンデーション
三河屋:「(醤油のついでに)実は今日、特化日なんですがビールも一緒にどうですか?」
パーソナライズド
三河屋:「そろそろお醤油がなくなるんじゃないかと思うんですが、大丈夫ですか?」
行動ターゲティング
三河屋:「波平さん、高血圧だとお聞きしたんですが、塩分控えめのお醤油がいいですかね?」
モバイル
(町内の盆踊りで三河屋さんにとばったり会い)
サザエさん:「今度、お醤油届けてくださる?」
検索連動型はGoogleやOvertureにおいて確固としたビジネスになったが、それ以外はまだまだ発展途上。
■上記の実現に重要なのは、データの蓄積と掛け合わせ。ウェブのアクセスログを解析しても、それはウェブサイトの中のことでしかない。売り上げデータを連動させて考えると、さらに深い情報を取り出すことができる。
ウェブ解析+メールマーケティングの連携で売り上げを誘導できる。しかも自動的に。
例:ショッピングカートに商品を入れて離脱した人に、「今だけ10%オフです!」のメールを送付して購入に誘導。商品購入後、定期的にメールでアップセル、クロスセルを誘発。
■今後の重要なデータソースは「SNS」=ユーザの属性、膨大な行動記録
■アウトプットの場はあらゆる場所が可能
バー、カジノ、病院、電車内、などあらゆる場所がデジタルサイネージの対象
気温、天気、顔認識による閲覧者、などさまざまなデータと組み合わせて、リアルタイムにデジタルサイネージに表示する内容を変化させ、かつPOSからの売り上げデータと組み合わせる試みが、すでに始まっている。これは、非常に大きな可能性がある(5年以内にTV広告を抜くのでは、と予測)
■経済のリワイヤリングの時代
「広告 – 販売」という一本線から、広告、ウェブ、CRM、POS、デジタルサイネージ、モバイルなどありとあらゆるシステムが複雑に絡み合わせることができる時代になる。
そこでは、膨大で複雑なデータの利用方法を提案できるコンサルティング業、複雑なデータ連携を可能にするシステム開発業(とくにモバイル)が重要なポジションとなる。
コメントを残す