楽天やユニクロが社内公用語を英語にしたってことについて。賛否両論はあるようだけど僕は賛成派です。
ブログやTwtterでの発言を見ていると、反対派の人は「英語ができることがビジネスパーソンとしての優秀さとイコールなの?」という点が疑問視しているように見受けられますが、僕はそこがポイントではないと思っています。
僕がなぜ英語力の強化の必要性を強く感じているかと言うと、ビジネスのグローバル化に対応するための最低条件だからです。(是非はともかく、ビジネスがグローバル化していることに異論を唱える人はいないでしょうから、ここではそれを前提に話をします。)
グローバル化はフォーマットの画一化ではなくて多様化
まず「ビジネスのグローバル化」についての認識の相違が多いので確認します。
グローバル化=同一のフォーマットを全世界に展開することではないということです。それとはまったく逆で、国・地域ごとの特色を反映したローカライゼーションの集合として、企業活動が全世界におよぶことこそがグローバル化です。だとするとグローバル化は「画一化」ではなくてむしろ「多様化」だと言えます。
事実上「原材料や人を調達する場所、作る場所、売る場所の全ての多国籍化」が進行しているという状況で、単一のルールやフォーマットを全世界に適応する事は(合理的に思えますが)不可能です。国や地域が変わればビジネスの状況は変わるし、また多種多様な人が関係する訳ですから商習慣や文化も異なってきます。そんなところに、本社で作り上げた戦略やルールを画一的に適応しようとしても絶対に上手くいきません。大きな方向性やゴールは共有しつつ、手法や時期は現場の事情を考慮して調整しなければロクな結果にならないもんです。(僕はWebガバナンスの浸透やWeb活用推進のために日常的に海外のスタッフとやり取りをしていますが、その経験からもこの事は確信しています。)
グローバルコミュニケーションのツールとしての英語の重要性
このようなグローバル化が進行したビジネスでは、そこでのコミュニケーションで使われる「英語」の重要性がますます高まります。
例えば日本企業の場合、これまでは日本国内だけでモノを作って売っていました。生産拠点を海外に移したとしても、英語(もしくは現地語)でコミュニケーションを強いられるのは現地に赴任している日本人社員ぐらいでした。
ところが、今は違います。1企業の活動に様々な人が参加する場面がどんどん増えてきます。そして、それら多様な人々と日々コミュニケーションをとるケースが日に日に増えています。これは現地でだけ起こる事ではなくて、現地と日本(本社)のやり取りや本社内でも起こってくるはずです。
そうなると、英語が出来る/出来ないということが企業やそこで働く人の成長に大きく影響するのです。
バッサリ言うと、英語が出来ない社員ばかりの会社には真のグローバル化は無理だと感じています。それは国際競争力云々という前の話。
先の2社も、製品やサービスは優れているのに、それを回す社員が英語が苦手という理由だけで世界で戦えないなんてもったいない、という思いが(三木谷さんや柳井さんには)あったんじゃないでしょうか?だから、そんな基礎的なことは強引と言われようと必要なんだからやる、という決意で英語の公用語化に踏み切ったんだと僕はみています。
英国・米国式の経営が優れているからとか、英語ができるビジネスーソンが優秀だからという理由で英語を推奨すのではなくて、社員がグローバルコミュニケーションができることが企業経営の必須条件になる、だから「英語」なんだと思います。
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