誰かに仕事をお願いするときには往々にして丸投げという状態になりますが、それにも良い丸投げと悪い丸投げがあるという話。
要は「自分で答えが分かってないものは人に頼んではいけない。答えがイメージできるようになるまでは自分の仕事で、それが出来てから人に投げる。」ということだと思います。
これは会社の上司からめんどくさい仕事の振られ方をされているからdisってやるとかいう話ではなくてw、自分が同僚や外部業者に仕事を頼む(発注する)ときにも当てはまることなので自戒の意味も込めて書き起こします。
答えをイメージできないとアドバイスもできない
人に仕事を頼むときに、返してほしい答え(アウトプットの最終形)がおぼろげにでもイメージできていないのが悪い丸投げです。こういう投げ方がなぜダメかというと、出てきたモノに対して適切な指摘ができないからです。
(結果として)返してほしいもののに含まれる内容や構成がイメージできていないということは、その結果をどう使うかがイメージできていないからだと思います。そういう状態では、何が悪いのか、何が足りないのか判断できず、感覚や思いつきでコメントしてしまい、それが混乱の元になります。
例えば「そもそもスコープに対してパーツが足りていない」のか「スコープはあってるけど、個々のパーツレベルで求めている答えじゃない」のか「基本的にOKだけど、些末な部分(てにをはレベルで)を修正/変更してほしい」のかを区別してアドバイスできません。
頼みたい仕事の範囲(スコープ)が見えていないと途中で「あれは考慮しなくていいの?」「(最近話題の)○○は対応しないと」という話がどんどん出てきます。いろんな指摘がでること自体は悪いことではないかもしれませんが、問題はそのレベル感の違いを認識できていないこと。「枝葉末節だけど気になるから言っておく」という指摘なのか「作業スコープがずれているから調整してほしい」という指摘なのか、区別できていないと受け取る方は困ってしまいます。
そして最悪なケースでは、最後になって「やっぱり○○が含まれていないとそもそもおかしい」みたいにちゃぶ台返しが起きて、頼む方も頼まれる方もunhappyな結果になってしまいます。
仕事を投げられる状態に持っていくのが管理職の仕事
これは逆を言えば、「どういう課題にどう対処してほしいか」が決まればその仕事は投げてしまえば良いということです。作業の範囲やだいたいの結果のイメージが分かれば、あとはそれに沿うような結果を出すだけなので、その作業が複雑だったり難解で助けを求められてもアドバイスができるからです。仮に丸投げを受け止められなかったとしても、別の人に頼むか、究極的には自分でやってしまえば良いということになります。
つまりケツを持てるなら丸投げOK、ということでしょう。
僕は特にこれが管理職の仕事だと思っています。要は「仕事を振る」ということですが、それは何も考えずにスルーするということではなくて(それは悪い丸投げ)、自分のなかでイメージを持った上で残りを人に任せるということです。一人ではできない仕事をたくさんの人の力を借りて実現できることが組織の強みなはず。また、そういう仕事の任せ方を通じて部下を育てることこそ真のOJTだと考えています。
あるべき論を語るは安しですけどね。ただ、良い丸投げができる上司のもとで仕事をするとすごく楽しいし(大変ですが)成長できます。(体験談)
コメントを残す