1を聞いて10を知れない凡人は経験を武器に戦う

個人的に「頭の回転が速いな」と思う人は1を言えば10を知るような人。

そういう人は一つのインプットから連鎖的に様々な知識と結びついて、これがこうなるなら、ここにこういう影響がでるだろうというところまで瞬時に整理して推測が及ぶ。1の話をしたら「これこれこうなるから、ここに手を打たないと行けないと思うんだけど、どう思う?」みたいに、いきなり10手先まで会話が進んだりして、そういうのを目の当たりにすると「頭の回転が速いなぁ」と感じる。

こういう人たちは、単純にたくさんのことを知っているから知識同士が結びつくという訳ではなさそう。むしろ大量の情報に高速でアクセスしながら、情報どうしをその場で有機的に結びつけているイメージ。(調査したわけではないけど、観察的にそう感じる)

分かる人にしか伝わらない例えだけどHDDに大量のデータを記録しているのではなくて、オンボードメモリの容量が半端ない人みたいな感じ。

自分はどちらかというとHDD型。受験勉強で鍛えられた感覚があって、情報をなるべくたくさん記憶し、一定の法則(主に試験の出題パターンなど)に合わせて引っ張り出すという訓練を積んできた。

それは頭の回転が速いのではなく単に記憶とパターン化された出力にすぎないと思う。

情報が整理されていない中で瞬時に持てる情報を構造化・整理して出力しつつ、それによってどういう影響が起きるかを予測するというのは、(自分の言葉では)想像力に近いと思う。そういう方面の思考は自分は得意ではない。人から指摘されると「確かに」と思うのに自分ではそこに思い至らない。

こういう頭の使い方ができる人が自分の周りには何人もいて、そういう人のinput/outputの妙を見るたびに、頭の回転の速さに、ただただ感心する。

もう少し若いころは、それをただただ感心して、羨望の目で見ていたけど、年を取ると頭の回転を補うすべがあることも分かってきた。

ようは経験を積むことだ。失敗を含む経験をつむことで情報にメタデータが貯まる。一つの知識・情報にメタデータが紐づくと、情報がリッチになる。関係のなさそうな情報、別々の領域の記憶でも、メタデータを介して他の情報と結びつきやすくなる。そうやって頭の回転(CPU)ではないところで有機的な情報群にアクセスするすべを手に入れられる。

自分の仕事の例で行くと、HTMLやらSEOやらサーバーやらマーケティングやらがWebサイト構築に関する知識群。それとは別にWebサイト構築プロジェクトを何度も経験すると、要件の詰めの甘さが品質検査の段階になって大きな影響を及ぼすと言ったことを経験する。この『痛い経験』こそが知識に紐づくメタデータだ。それによって要件を検討する時にかなり先のことまで目くばせしながら会話をリードできるようになると言った類のこと。

そもそも個対個の勝負ではないのだけど、いわゆるビジネスパーソンとしての価値をどう出すかという競技においては、凡人は凡人なりの戦い方があることが最近になってようやく言語化出来るようになってきた。

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